愛知県犬山市で大人気〈ココトモファーム〉!米の栽培からグルテンフリーバウムクーヘンの製造・販売まで、6次産業化モデル

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愛知県犬山市に8ha(8万平米)の圃場を持ち、「ココでトモだちになろう」をコンセプトに
、お米の生産から加工、バウムクーヘンの製造を通して農・商・工・福を連携させた6次産業化に取り組む〈ココトモファーム〉。
2020年の開業から瞬く間に人気店となり、このたびセントラル工場を設けることに。
齋藤秀一社長の妻で専務のゆみさん(画像左)と、バウムクーヘン製造の責任者である川口さんに、〈ココトモファーム〉の成り立ちや工場新設の背景、今後の展望を尋ねた。

6次産業化の展示会で運命の出会い

障がい児のための自立支援を行うITの会社を立ち上げた齋藤社長は、実家に広大な圃場を所有するゆみさんと協働で障がいがある人が働く場としての農場〈ココトモファーム〉を運営。

東京ドームに換算すると約2個分もある田んぼを耕す分、収穫量も凄まじく、年間40t以上ものお米が生産されている。

〈ココトモファーム〉が耕す圃場の空撮

ゆみさん「スタッフみんなが愛情込めて育ててくれたお米をもっと多くの人に食べてほしくて、社長の齋藤と6次産業化の展示会に足を運びました。
当初はおにぎり専門店を第一候補としていましたが、その日はお目当てのブースがたまたまお休みで。

途方に暮れながら会場内を歩いていると偶然米粉製粉機を手がける西村機械製作所と不二商会の共同ブースが目に入り、
“自家製紛する生米粉”
“グルテンフリーのバウムクーヘン”

というフレーズに興味を引かれました」

その場で生米粉のバウムクーヘンを試食した齋藤社長とゆみさんは、
「こんなにしっとりとおいしいバウムクーヘンの原料がお米だなんて!
コレなら間違いなく繁盛する!」
と成功を確信。

ほとんど迷うことなくおにぎり専門店からバウムクーヘン専門店に舵を切ったと言う。

ゆみさん「開業までのスピードがあまりにも速くて不二商会の藤波社長をはじめ関係各所の方に「一回落ち着きましょう」と促されましたが、当社社長の齋藤は自信に満ち溢れていたようで(笑)。

齋藤の芯がブレないので不安はありませんでしたが、開業前はそのスピード感についていくことに必死でしたね」

“繁盛する喜び”と“製造に追われる苦しみ”は背中合わせ

観光名所、犬山城の城下町という立地の良さや、“農・商・工・福連携”という時流に沿った〈ココトモファーム〉のコンセプト、自家製米粉のバウムクーヘンのおいしさも相まって、2020年12月に1店舗目をオープンしてたちまち人気店に。

開業して2年とたたないうちに続々と店舗数を増やし、現在では愛知県内に10店舗を持つ。

経営は順調に見えたが、同時にある課題に直面することに。

ゆみさん「多い時は一日3000~4000アイテム売れることもあって、たくさんの人に喜んでもらえるのはうれしい反面、生産が追い付かない現実問題もあって。

藤波社長もよくおっしゃっていた“売れる喜びの裏には作る苦しみがある”ということをまさに体感しましたね。

製造責任者の川口さんを中心に製造スタッフたちが、毎日夜遅くまで焼こうとする心意気はありがたいことですが、経営者として見過ごすわけにはいきませんでした。

そこで思い切って、不二商会さんにセントラル工場の計画を相談しました」

それまではバウムクーヘンオーブンが2台。
新設の工場には3台が納入され、計5台に。

オーブンが増設されたことで相応の米粉の製粉量が必要のため、従来のものより大型の米粉製粉機も採用。

さらに、生産したバウムクーヘンの包装時間を短縮すべく、不二商会プロデュースの店舗では初となる自動ピロ包装機も導入された。

川口さん「五郎丸のセントラル工場ができて圧倒的に生産力がパワーアップしています。

それも、今回の工場の件だけでなく、製造時の悩みや疑問など、いつも親身に話を聞いてくださる不二商会の担当営業Sさんのおかげです。

セントラル工場は土地の条件的に、直営店を設けることは難しいですが、当社自慢のグルテンフリー米粉バウムクーヘンをお気軽にお買い求めいただけるよう、業界初?のバウムクーヘン専門の自動販売機も導入予定です。

ぜひお立ち寄りくださいね」

今後の目標は〈商品開発〉と〈“犬山モデル”の普及〉

〈ココトモファーム〉のバウムクーヘンは白米のソフト・ハード、玄米のソフト・ハード、ソフト 苺、ハードブラウニー、チーズインバウム、ミニバウムをチョコレートでコーティングした〈縁バウム〉など多彩にラインアップ。

白米には他の素材の風味を引き立てる〈ゆめまつり〉、玄米にはお米本来の香りが強い〈あいちのかおり〉を使用している。

いずれも食味の計測器で最高ランクSを獲得し、バウムクーヘンとの相性もバツグン。

炊いても絶品のお米をぜいたくに使用するだけに、かめばかむほど旨味も感じられる。

元パティシエでもあるゆみさんは、今後生ケーキのように“お店でしか味わえない”という特別感のある新商品の開発にも着手。

経営に、商品開発にと勤しむ一方で、今後の事業のあり方について、ある大きな夢も抱いているようで、

ゆみさん「私たちは障がいを一つの個性と捉えています。
人はそれぞれ、得意・不得意があって各能力のバランスが凸凹していますよね。

当社では健常者と障がい者を区別せず一緒に働いており、最近は同じ志を持つ事業者から“同じ取り組みをしたい”とお声がけいただく機会も増えました。

ここ、犬山市で行っている農・商・工・福を連携させた取り組みを全国に広げていきたいと考えています

と、柔和な笑顔からは想像できない芯の強さを見せた。

〈ココトモファーム〉の取り組みの肝として参画している不二商会として、今後の展開にも深く関わっていきたいところだ。

―不二商会 担当営業Sより―

あの6次産業化の展示会の偶然の出会いから、ここまで〈ココトモファーム〉の事業が拡大するとは当時は想像していませんでした。

今回のセントラル工場新設の計画においては、私たちがプロデュースしたバウムクーヘンビジネスの実績の中でも初めて自動ピロ包装機や、冷凍自動販売機を導入することができました。

全自動包装機を採用できるということは、それだけ〈ココトモファーム〉の商品が世の中に求められている証です。

今後も問題なく製造を進めていただけるように、齋藤社長やゆみさん、川口さんをはじめとするスタッフの皆さんと連携を強化していきたいと思います。

MACHINE

今回納品したバウムクーヘンオーブンは、最新機種〈フレイヤ〉1台と、〈FINDS 3-6 TT(タッチパネル式)〉2台。

不二商会メンテナンス部が自社工場で製造し、搬入・試運転まで実施。

生地を仕込む専用ミキサーは3台、カットバウムの包装時間を短縮する自動ピロ包装機も導入し、仕込みも焼成も包装もパワーアップ!

TRAINING

機器が問題なく使用できるか、現地で試運転と軽量・仕込み・焼成の指導を実施。

普段バウムクーヘンを焼いているココトモファームの職人の技術の成熟度を見る意味でも現地指導は重要ポイントとなる。

基本情報

ADDRESS/店舗一覧はココトモファームHPを確認
Instagram/@cocotomofarm


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