1.フジデザインシステマの誕生

フジデザインシステマ(FUJI DESIGN SYSTEMA=F.D.S.)は、長年関わってきた「お菓子屋さんの厨房から繁盛を考える」店舗創りをコンセプトに2000年頃にスタートしました。

当時、開業(=店舗デザイン、販売コンセプト創り)のご相談(そのほとんどが洋菓子店)を頂いておりながらも、この業界ではお客様との打ち合わせは完全に分業となっていました。店舗や売場はお客様のイメージを内装デザイナーと、厨房側は動線などを考慮し我々と、といった形です。それぞれの区画で打合せ、それを組み合わせただけの店がほとんどになってしまい、開業前にオーナーから「こんな店にしたい」と聞いていた、お菓子が語りかけるような(売れる)イメージとは違って完成してしまう店を数多く見てきました。

厨房側からお菓子屋さんを見ていた我々から見れば、ケーキを仕上げるパティシエの姿、出来たて生ケーキのしずる感、オーブンから出てきた焼菓子の鮮度・匂いといった五感を刺激する要素にこそ、買い手を引き付け、繁盛のポイントがあると感じていました。
その魅力が買い手に伝わるような店舗レイアウトは厨房屋の我々が考えるべきではと思いあぐねているなか、デザイナーの友人と運命の再会がありました。厨房から繁盛をデザインする、厨房とデザインのコラボチーム『フジデザインシステマ』の誕生です。

我々の「お菓子がどうすれば売れるのかのノウハウ」を店舗ごとに指南された、そのデザイナーは、お菓子屋さんの設計はほとんど経験がなかったのですが、まったくそれまでとは違う新しい視点からの発想で、「従来のお菓子屋さんらしくない」「色気のあるカッコイイ」お店が生まれ、全国にわたる多くの繁盛店・地域一番店に関わらせていただく事となりました。

現在もバウムクーヘン専門店を中心に、フジデザインシステマは「厨房からの繁盛店創り」の理念を進化させ、国内にとどまらず、変化するNEEDSを捉え、様々なWANTSを表現すべく、様々なスイーツプロデュースに役立たせて頂いております。

2.スイーツの拡がり

~洋菓子専門店を飛び出し、異業種から海外へ~

2010年代に入ると、「スイーツ」という言葉があらゆる媒体で飛び交うようになり、インターネットやSNSを中心とした情報の拡がり方は皆様のご存知の通りです。お菓子の買える場所に焦点に当てると、今やお菓子屋さんのライバルはお菓子屋さんではない時代に突入しました。
そんな中、お菓子を作ったことのない業態、いわゆる「異業種」さんから、新規参入の問い合わせやご紹介が目立つようになりました。異業種さんといっても、果物・卵・乳製品などの素材自体を生産されている一次産業の生産者さん、抜群のロケーションをお持ちの商業施設さん、その他にも飲食店さん・建築屋さん・家電屋さん・脱サラの方など、その業態も本当に多岐にわたります。当然、その事情も全く異なり、期待と不安を抱えてスイーツ業界の門を叩いた方々です。

長年、業界のメッカとなる阪神間で、製菓製パン機器を取り扱ってきたノウハウは、商品開発や売り方の提案のベースとなり「お菓子の売れる原理原則」として発揮されます。素材・ロケーション・ストーリーを強みとしたブランド創りから関わらせて頂く事で、異業種でも数々の成功をお手伝いさせていただきました。

また、クールジャパン政策にはじまり、日本のスイーツのレベルは世界トップクラスです。日本の「おいしい」「カワイイ」スイーツを求め、バウムクーヘンを中心にJapanese sweetsのお問合せは世界各国から頂いております。その国の文化や嗜好をヒアリングしながら現地の材料を使った商品開発、製造や売り方のアドバイスも含めて、バウムクーヘンやJapanese sweetsの輪を世界に広げるべく協力体制を強めていっています。


3.お役立ちの拡がり

~FDSが求められていたのはブランド創り~

スイーツショップのオープンに、機器の提案、店舗デザイン、商品開発だけでは十分ではありません。お客様のお困りに応えながら今も少しずつお役立ちの範囲を広げております。

ブランドのコンセプト創りには、ロゴのデザイン。
そのブランドをお店全体で表現する為のディスプレイ提案。
最終商品としてお客様の手に渡る、包材や紙袋などのパッケージデザイン。
他の人にあげたくなるような、しっかりと念いをこめたパンフレット。
その商品を安定して作り上げるための製造研修。
そのブランドを背負う店長・リーダーにはオーナーをの念いを代弁した人財育成。
フジデザインシステマはお店のオープンが目的ではありません。長く続いて頂く主力単品のブランドの為に、製造効率の見直しの為に、更なる人財教育の為に、不二商会を訪ねてください。


4.MAGASIN ~バウムクーヘンの駆け込み相談所~

ユーザー様のご相談、新規導入検討の為の国内外からの来社見学、ご依頼いただいた商品開発。それを全て1台のオーブン、10坪程の厨房で行っていました。

せっかく来社されるお客様に、不二商会のベストをお伝えしなくては!

そんな念いで、2016年末、不二商会の社屋を大改造。50年に渡るノウハウを結集したマガザン”MAGASIN” (工房 兼 ショールーム) プロジェクトが始まりました。

最近、来客されるお客様に、私たちは決まってこう言います。
不二商会はバウムクーヘンオーブンを売っている会社ではありません。
「具体的なバウムクーヘンでの繁盛のさせ方」を提案している会社です。

このマガザンで、設備選定・製造工程・販売方法・人財育成など様々なお悩み解決のきっかけが作れるよう益々お役立ちのレベルを磨いてまいります。

FUJI DESIGNSYSTEMA